お知らせ

大沢在昌さんからコメントをいただきました。

photo原作の大沢在昌さんから、白石加代子「百物語」 上演に向けてのコメントをいただきました。

 「百物語」に拙作新宿鮫シリーズをとりあげて下さるのは、私にとって望外の喜びという他ありません。自作を、血肉をもった役者さんに演じて頂くのは、いついかなるときも作者にとって晴れがましいものですが、あの名演「百物語」に加えていただくことは、私自身にとっても大きな励みとなります。
 また一方で、今回の作品「毒猿」は、シリーズ中でも特段に登場人物、アクションシーンが多く、果たしてそれを朗読という手法で、どう料理して頂けるのか、実に楽しみです。
 素人ながら私も、宮部みゆきさん、京極夏彦氏と、毎年自作朗読会をやっており、「毒猿」の導入部こそ朗読したことはありますが、これを全編、抜粋とはいえ朗読されるとなると、いったいどのようなものになるのか、想像もつきません。
 朗読は映像化とは異なり、ときには映像化以上に観客の想像力を刺激する力をもちます。白石加代子さんという名演者により、「毒猿」が、劇場を興奮の坩堝と化すことを確信しつつ、心から楽しみにして、その日を待っております。                  大沢在昌

☆大沢在昌(おおさわ ありまさ) プロフィール
1956年 愛知県名古屋市出身。慶応義塾大学中退。
1979年 第1回小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞し、デビュー。
1991年 「新宿鮫」で第12回吉川英治文学新人賞と第44回日本推理作家協会賞長編部門受賞。
1994年「無間人形 新宿鮫4」で 第110回直木賞。
2010年第14回日本ミステリー文学大賞受賞。
2012年「絆回廊 新宿鮫10」で日本冒険小説大賞。